ISMP

「三重映画フェスティバル」と、三重県出身の映画編集者、横山智佐子さん(米ロサンゼルス・ハリウッドの映画学校ISMP/International School of Motion Picture)に関する記事です。横山さんは、アメリカ・ハリウッドで「グラディエーター」や「SAYURI」などの制作に携わっています。

津市で来月、三重映画フェス 小津安二郎監督生誕100年記念 /伊賀

2003年5月20日、 毎日新聞

岸恵子さんら招き

小津安二郎生誕100年記念 三重映画フェスティバル2003

少年時代を松阪市で過ごし、世界的巨匠として知られる小津安二郎監督(1903~1963)の生誕100年を記念したイベント、「小津安二郎生誕100年記念 三重映画フェスティバル2003」が2003年6月14~22日まで、津市一身田上津部田の県総合文化センターを中心に開催される。期間中は、小津監督をはじめ、県ゆかりの映画監督の作品上映会や講演会が行われる。

「東京物語」「秋刀魚の味」などの名作で知られる小津監督は、東京で、松阪出身の豪商の家に生まれ、9歳から19歳までを松阪市や飯高町で過ごした。生誕100年となる今年、県が誇る映画界の巨匠の魅力をあらためて見直し、全国に向け映画文化を発信していこうと、県内の映画ファンらが2001年4月、三重映画フェスティバルの実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。

「実行委員会は県内の小津ファン、映画ファンを『この指とまれ』方式で集めました」と田中忍事務局長。現在、実行委員は65人に増え、会員も県内外に170人にのぼる。昨年には山田洋次監督を招いた小津作品上映会など2度の「キックオフイベント」を大盛況のうちに実施した。

三重県ゆかりの衣笠貞之助監督、藤田敏八監督の作品も上映

イベントは6月14日、女優の岸恵子さんを招いて、津市でロケが行われた岸さんの主演作品「約束」の上映会を行うのを皮切りに、6月16日を除き連日開催される。小津監督だけでなく、亀山市出身の衣笠貞之助監督や四日市市出身の藤田敏八監督の作品、「潮騒」をはじめとする県内でロケが行われた作品の上映会が開かれる。

6月15日午後1時半からは県立津東高校など県内外5校の吹奏楽部が、映画音楽をパフォーマンスも交えて演奏する、「オーズ!吹奏楽だよ全員集合」が行われるなど、さまざまな角度から映画を楽しむイベントが企画されている。

また、5月29日にはプレ行事として、篠田正浩監督作品「スパイ・ゾルゲ」が、全国公開に先立って特別上映される。映画には県出身の俳優、椎名桔平さんも出演。当日は、篠田監督が舞台あいさつに立つ。上映会は午後6時から県総合文化センター中ホールで。当日1300円(前売り1000円)。

実行委員会では、フェスティバル運営を手伝うボランティアも募集している。フェスティバルやプレ行事の問い合わせは実行委員会事務局まで。

街の映画館でいい映画を見よう 三重映画フェス、2004年9月26日から

2004年8月28日、読売新聞

「第2回三重映画フェスティバル」

「三重に映画文化を」と活動する三重映画フェスティバル実行委員会(吉村英夫会長)は、9月26日から10月3日まで、第二回三重映画フェスティバル(読売新聞社など後援)を開く。2004年は「街の映画館でいい映画を観(み)よう」をテーマに、伊勢、四日市、津市の映画館で開催する。

初日の9月26日は伊勢市の進富座、27日は四日市市の四日市中映シネマックスで、黒木和雄監督の戦争レクイエム三部作の完結編「父と暮せば」を上映。松阪市の母親の実家で生まれた黒木監督のトークショーもある。

津市の会場は津大門シネマ。10月2日に三重大などの学生グループ「ミエノヨカン」の企画で、佐々部清監督作品「チルソクの夏」、津市出身のフィルムエディター横山智佐子さんが編集助手を務めた「グッド・ウィル・ハンティング」を上映する。

10月3日は、笠智衆生誕百年記念特別上映会として、「無法松の一生」(1958年、稲垣浩監督)、「好人好日」(1961年、渋谷実監督)を上映。「無法松の一生」は戦争中に稲垣監督が津市一身田でロケをしたことがあるが、検閲のカットを不満として戦後、再撮影した。ロケ時の様子を知る田中和麿高田学苑長、笠さんの長男の笠徹さんをゲストに迎える。

三重映画フェスティバル実行委員会は2003年6月、「小津安二郎生誕百年記念三重映画フェスティバル2003」を開催。約1万500人が訪れて、映画の楽しさを満喫した。

入場料は、10月3日の津大門シネマが1200円のほかはいずれも1500円。前売り券(1000円、1300円)は、各映画館と津市大門の津センターパレス・市民活動センター内、三重映画フェスティバル実行委員会事務局で、9月1日から発売する。

上映作品一覧

9月26日 伊勢  「父と暮せば」
9月27日 四日市 「父と暮せば」
10月2日 津    「チルソクの夏」、「グッド・ウィル・ハンティング」
10月3日 津    「無法松の一生」

ISMP(International School of Motion Picture)の横山さん、三重大で講演

2008年6月24日、読売新聞

フィルムエディター

アメリカのハリウッドでフィルムエディターとして活躍し、一時帰国中の横山智佐子さんが2008年6月23日、津市の三重大で「ハリウッド映画制作最新事情」と題して講演し、学生約80人が横山さんの“アメリカンドリーム”に聴き入った。

日本人のためのフィルムスクール

横山さんは津市出身。講演では、短大卒業後に単身渡米し、「グラディエーター」「アメリカン・ギャングスター」など数々の名作の制作に携わるまでの体験談を披露した。また横山さんがロサンゼルスに設立した日本人のためのフィルムスクール「ISMP」の学生らが制作した短編映画2本も上映された。

横山さんは、才能、運、忍耐力が試されるハリウッド映画界の厳しさを強調しながらも、「何度もトライしていけば、いつかは道が開ける」と、学生らに力強く語りかけた。

三重大の映画制作サークル「みえシネマアーカイブ」に所属する人文学部2年、神谷貴子さん(19)は「映画は好きだけれど、渡米なんて想像もつかないことだった。横山さんの話を聞いて、私にもチャンスがあるかもしれないと思った」と声を弾ませていた。

横山さんは6月21日にも、津市のみえ市民活動ボランティアセンターで里帰り講演を行い、映画好きの市民ら約60人が来場した。

ハリウッドの映画制作語る ISMPの横山さん、出身の津で

2012年6月18日、読売新聞

「グラディエーター」や「SAYURI」など

アメリカ・ハリウッドで「グラディエーター」や「SAYURI」などの制作に携わった映画編集者横山智佐子さんの講演会が2012年6月17日、津市内で開かれた。三重映画フェスティバル実行委員会が主催し、約80人が参加した。

横山さんは津市出身。1987年に渡米し、映画編集を続けている。ロサンゼルスに日本語で受講できる映画学校「ISMP」を設立し、後進の育成にも取り組んでいる。

アジアや世界を目指して

講演では、ハリウッド映画の徹底した分業制や観客を重視する姿勢について説明。映画が完成するまでに、観客の反応をみるための「テスト試写」やアンケート方式での採点を実施し、編集を何度も重ねることもあるという。映画業界を目指す人に「国内だけでなく、アジアや世界を目指して。世界で勝負するために、外の世界を知ってほしい」と呼びかけた。会場ではISMPの学生らが制作した短編映画3本も上映された。

友人と訪れた津市の会社員の女性(27歳)は「本場の第一線で働く人の話を聞く貴重な機会だった。自分で思っていたより、映画は観客の目線で作られていることを知った」と話した。

同様の講演会が6月20日、三重大学で行われる。一般の人も聴講できる。問い合わせは三重大学人文学部尾西研究室へ。

三重アクターズ養成所 米映画専門学校と提携 ロスに開校ISMP

2006年3月7日、中日新聞

三重からハリウッドへ

芸能界入りを目指す子どもたちに歌や演技、ダンスを指導する「三重アクターズ養成所」(津市久居新町)が、米・ロサンゼルスに2006年9月開校する映画制作学校「インターナショナルスクール・オブ・モーションピクチャー(ISMP)」と姉妹校提携を結んだ。ISMPの学校説明会は4月2日、三重アクターズ養成所で開かれる。

津市出身でISMP代表の横山智佐子さん

三重アクターズ養成所副所長でデザインプロデューサーの山川富喜子さんが知人を通じ、津市出身でISMP代表の横山智佐子さんと知り合ったのがきっかけ。ISMPの授業は日本語で、さらに2007年9月をめどに演劇科クラスができる予定のため、提携締結へ話が進んだ。

三重の若者たちが世界へ羽ばたく足掛かりに

三重アクターズ養成所は1996年10月に開校し、芸能プロダクション「オスカープロモーション」講師の振付師小野恵子さんが所長を務める。映画・舞台女優やCMタレントを輩出し、現在は3-18歳の30人が所属する。ISMPには3カ月課程の初級、上級各コースが設けられる。山川さんは「三重の若者たちが世界へ羽ばたく足掛かりになれば」と話している。

ISMPの説明会に併せ、三重アクターズ養成所の説明会もある。ISMPは18歳以上が対象。申し込みが必要で、氏名、住所、生年月日、連絡先を明記して3月26日までに三重アクターズ養成所へ。

問い合わせは、三重アクターズ養成所へ。